二十五日午後一時ごろ、東京都千代田区有楽町、ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」(二十四階建て)で、十階客室から異臭がすると一一〇番があった。
警視庁丸の内署と東京消防庁が調べた結果、一〇一九号室で硫化水素が発生したのを確認。浴室で男性が心肺停止状態で倒れており、病院に運ばれたが間もなく死亡した。男性は岡山県の会社員(47)とみられ、二十四日から宿泊していた。
浴室にはトイレ用洗剤と入浴剤の容器があり、丸の内署は男性が硫化水素を発生させ自殺したとみている。
室内のいすの上には「硫化水素による自殺のため入室に当たっては注意してください」とホテルの便せんに書かれたメモがあり、ホテルは八—十一階の各部屋に避難を呼び掛けた。在室していた二部屋の男女三人が一時避難したが、けが人はいなかった。男性の部屋は一泊約十四万円という。
現場はJR有楽町駅近くで、皇居のお堀に面したオフィス街。消防車やパトカーが集まり一時、騒然とした。
ホテルは、香港を本拠地に高級ホテルを展開するペニンシュラグループの一つとして日本で初めて昨年九月に開業した。