2008年04月25日(金) 13時30分
円高になって、いいことはないの?(R25)
なお続く円高。1995年11月以来、12年4カ月ぶりに100円も切った。まさに急騰といっていい状況で、すわ輸出産業に大打撃、日本経済は大丈夫か、と大騒ぎになったわけだが、ちょっと待ってほしい。円高はホントに悪いことだけなのだろうか。
そもそも自国の通貨の価値が上がって嘆いているのは日本くらい、と聞いたことがある。価値が高くなれば、それだけ購買力を高められるからだ。典型的な例は海外旅行だ。12年ぶりのスーパー円高は、12年ぶりのスーパー海外旅行天国を意味しているのだ(ドル圏の話だが)。折しも先日、ニューヨークに出張した知人の編集者は、5番街のブランドショップで1ドル100円換算の計算で改めて円高の魅力を理解したらしい。去年まで6万円だったものが、5万円で買えてしまうのである。
もうひとつ、たしかに輸出産業を直撃する円高だが、輸入産業には逆に大きな恩恵をもたらすことを忘れてはならない。百貨店やスーパーで売られているアメリカ製品の仕入れ値が下がる、というだけではない。日本は最終製品だけでなく、膨大な量の原材料や食糧を輸入している。これらのうちドル建てのものは、大きな利益を生むのだ。例えば去年まで6000万円で輸入していた原料が、5000万円で済んでしまう。何もしなくても1000万円も利益が出るのだ。円高=ダメージ、だけではないことにきちんと気づいておく必要がある。
そして、旅行にも行かず、円高差益にも期待することなく円高のメリットを享受する方法もある。外貨預金だ。1ドル=120円の去年まで、100万円のドル建て外貨預金は約8300ドルが口座に入った。これが1ドル=100円になると1万ドルが入る。つまり、外貨預金を始めるには、円高時が好機なのだ。そして円安時、例えば1ドル=120円で解約できれば120万円になって戻ってくる。もちろん、そう簡単にいく話ではない。だが、嘆きばかりでないことも知っておきたい。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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