2008年04月25日(金) 13時30分
日本企業と外国企業の境界線はどこにあるの?(R25)
興味深いニュースをネットで見つけた。「柿の種」で知られる亀田製菓が、全米に展開する計画を立てているという。本格的な海外展開は初めて。背景にあるのは、日本市場の縮小。少子化に人口減…。たしかに企業としては、海外進出も当然の選択かもしれない。
少し前に、松下電器が海外に展開するブランド名「パナソニック」に国内も統一すると宣言、大きく報じられたが、実は日本の大企業の主戦場はすでに海外にある。日本経団連に属する伝統的企業ですら、海外での売上高が4割、5割なんてのは当たり前。電機やハイテク系の大企業に至っては、7割以上が海外売上高、なんて会社もある。
さらに気になるのは利益。営業利益に占める割合は海外が5割、6割なんて会社も多い。実は多くの日本の大企業が、もはや海外で儲け、それを拡大させているのである。考えてみれば、日本はたかだか1億2000万人のマーケット。日本だけで勝負していたら、あっという間に天井に到達してしまう。お隣の中国、インドといった国々はこれからマーケットが勃興する。しかも、人口が13億人、11億人とケタ外れなのだ。シビアな競争にしのぎを削る企業が、どちらを向くかといえば、答えは明白だろう。
そういえば、日本市場の一部からあっさり撤退を決めた携帯電話メーカーの報道もあった。日本企業だから日本のためだけに、なんて時代ではもはやまったくない。
そして違う視点から見ても、日本企業はすでにグローバル化している。発行済み株式の50%以上を外国人が持つ会社はゴロゴロあるのだ。40%以上で見てみれば、日本を代表する有名企業もずらり。今や「外国企業」を定義するには、外国に本社がある会社、くらいしかないのかもしれない。
だが、それも今後は微妙だ。海外比率が増えれば、日本企業も本社を海外に置くことを考えるかもしれない。幹部はずらりと外国人になるかもしれない。その方が合理的で効果的なら、だ。そういうことが起こり得る時代が近づいている。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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