23日午後7時45分ごろ、高知県香南市香我美町徳王子の市営住宅「ハピネスかがみ」(5階建て)の住民から「卵が腐ったようなにおいがする」と110番通報があった。県警機動隊員が3階の一室に入ったところ、浴室に若い女性が倒れており、その場で死亡を確認した。
県警や消防などによると、硫化水素自殺の可能性がある。市営住宅の住民約20人が頭痛などを訴えて救急車などで病院に運ばれ、うち1人は重症という。ほかに住民約50人が医療機関で診察を受けた。また、約70人が近くの体育館に避難した。
県警の調べでは、亡くなったのはその部屋に住む女子中学生で、母親と2人暮らし。当時、母親は仕事で外出していたという。
市営住宅5階に住む女性(25)によると、自宅に来ていた姉が帰宅する際、異臭がすると訴えた。一緒に3階に下りると、一室のポストに「毒ガス発生中。扉に触らず警察に通報して下さい」と赤いフェルトペンで書かれた紙が挟んであった。110番すると同時に、その部屋に住む母親に連絡。駆けつけた母親らと玄関を開けたところ、強い刺激臭がしていて浴室に娘が倒れていたという。部屋から出た途端、姉は倒れ、救急車で運ばれた。重症だが、意識は戻っているという。
現場は高知空港から東に約6キロ。図書館や体育館などが立ち並ぶ一角で、市営住宅は2棟が隣接して立っている。