JR岡山駅のホームで岡山県職員の假谷(かりや)国明さん(38)が突き落とされて死亡した事件で、殺人と銃刀法違反の非行事実で家裁送致された大阪府大東市の少年(18)は23日までに、岡山地検の簡易精神鑑定で広汎性発達障害の一つである「アスペルガー症候群」と診断された。
アスペルガー症候群は対人関係をうまく築けず、特定の対象に固執するなどの傾向があるとされる。しかし、犯罪などの反社会的行動に直接結びつくことはない。付添人弁護士は当時の精神状態を解明する必要があるとして、移送先の大阪家裁に本格的な精神鑑定の実施を求めるという。
送致事実によると、少年は3月25日午後11時すぎ、ホームで電車を待っていた假谷さんを背後から線路に突き落とし、假谷さんは電車にはねられて死亡した。
岡山家裁は4月15日、「事件の経緯や少年の成育歴を調査する必要がある」として、少年の居住地を管轄する大阪家裁へ事件を移送した。