2008年04月22日(火) 08時39分
【光市母子殺害】4度目の司法判断 10時から判決(産経新聞)
山口県光市の母子殺害事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われ、最高裁が無期懲役の2審・広島高裁判決を破棄した元会社員の男性被告(27)=事件当時(18)=の差し戻し控訴審判決公判が22日、広島高裁(楢崎康英裁判長)で開かれる。弁護側は被告には殺意も強姦の意図もなかったとして、これまでに裁判所が認定した犯罪事実を全面的に否認。これに対し検察側は「荒唐無稽な弁解に過ぎない」と反論した。「18歳への極刑」の是非をめぐる4度目の司法判断は、本村洋さん(32)ら遺族6人も見守るなか午前10時から言い渡される。
昨年5月に始まった差し戻し控訴審は計12回の公判が開かれ、弁護側は独自に依頼した法医学鑑定などをもとに「遺体の状況はこれまでの判決が認定した殺害態様とは矛盾する」と主張。本村さんの妻の弥生さん=当時(23)=に対しても、長女の夕夏(ゆうか)ちゃん=同11カ月=に対しても殺人罪は成立せず、傷害致死罪にとどまるとした。
一方、検察側は最高裁が「揺るぎなく認めることができる」と判示した犯罪事実に誤りはない、と指摘。むしろこうした新たな主張そのものが「被告人が本件犯行を真摯に反省せず、遺族の感情を踏みにじって顧みない」ことのあらわれで、死刑をもって臨むほかないと結論づけた。
最高裁は平成18年6月、「特に酌量すべき事情がない限り、死刑の選択をするほかない」として審理を差し戻した。このため弁護側の事実誤認の主張が認められなかった場合、極刑が言い渡される公算が大きくなる。
判決前日に接見した弁護人によると、被告は判決の見通しについては何も尋ねず、落ち着いた様子で「自分にとっては4月22日よりも、(2人が亡くなった)4月14日の方が重い」と話したという。
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