2008年04月22日(火) 08時00分
野村社員にインサイダー容疑=M&A担当、監視委聴取−知人使い不正利得数千万円(時事通信)
野村証券の中国籍の男性社員(30)が職務上知った企業の合併・買収(M&A)情報を悪用し、インサイダー取引を行った疑いのあることが22日、分かった。不正に得た利益は数千万円に上るとみられ、証券取引等監視委員会は社員から事情を聴くなど証券取引法(現・金融商品取引法)違反容疑で調査を進めている。
監視委は同日朝、東京・大手町の同社本社の任意調査を開始。東京地検への告発に向け、社員ら関係者への事情聴取を通じ、手口などの実態解明を急ぐ。証券業界最大手の不祥事は一般投資家の不信を招き、管理体制が問われることになりそうだ。
関係者によると、社員はM&Aなどを扱う企業情報部に所属し、2006年から07年ごろまでの間、担当した企業のTOB(株式公開買い付け)情報などを入手。留学生仲間の中国人男性(37)に伝え、その弟(25)ら複数の名義の口座を使い、公表前に株を購入した疑いが持たれている。
株価は公表後に高騰し、社員らは高値で売り抜け、不正売買によって数千万円の利益を得たという。
不正な売買は20銘柄前後に及ぶとみられているが、監視委はうち2銘柄の取引について、インサイダーに当たると判断したもようだ。
男性社員は昨年末、香港の現地法人に転勤した。
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