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2008年04月21日(月) 22時04分

たい焼きブーム再来なるか!?オーマイニュース

 最近、たい焼きにはまっている。きっかけは、知人から立て続けにお土産でたい焼きをいただいたことによる。

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 「今までのたい焼きの常識が覆されるよ」と言われていただいたたい焼きは、皮がサクサクしていて、たしかに今まで食べたことのない食感だった。ピザでいったら、薄皮のクリスピータイプとでも言おうか。たい焼きにその手法を使うとは考えたものだなぁ、とひざを打った。ちなみに、その人によると、このサクサクタイプのたい焼き屋さんは、大人気でいつも行列ができているという。

 また、ある人からいただいたたい焼きは、しっとりタイプの皮で、蒸し焼き製法のたい焼きだと聞いた。そういえば、皮がやけにしっとりしている。北海道の大豆を使ったというあんこは、甘くてしっぽにまでぎっしりと詰まっていた。ここのお店も最近、行列ができているという。

 たい焼きなんてどこで買ってもそんなに変わらないだろう、などと今までは思っていたけれど、皮や中身のあんこ、製法や鯛の形など店によってまったく違うことに気づいてしまった。たい焼きののぼりを見つけると、つい買っては食べ比べるようになり、たい焼きがマイブームになってしまったのだ。

■たい焼きといえども奥が深い

 たい焼きは、今川焼きの丸い形から、めでたい鯛の形へと派生してできたものらしい。たい焼きの焼き方には、1匹ずつ焼く「天然物」と呼ばれるものと、複数匹を一度に焼き上げる「養殖物」の2種類があるそうだ。焼き方によっても味や食感は違ってくるという。

 東京・四谷にある老舗のたい焼き屋「わかば」は、1匹ずつ焼く「天然物」だった。天然物のたい焼きを焼くところは初めて見たけれど、鉄の鋳型に1匹つづ皮の元と餡(あん)をつめて焼くのは、手が込んでいる。今では少数派の焼き方らしい。

 そのたい焼きは1匹、126円だった。イートインコーナーもあったので、そこでできたてを食べてみた。香ばしい皮をかじると、甘さ控えめのあんこがたっぷり入っている。最初は甘さが足りない気がしていたのに、最後のひと口までいくと、小豆の味と甘さが舌に残り、後を引いた。たい焼きといえども奥が深い。また、たい焼き一筋でやってきたという店の歴史を感じた。

 けれど、老舗の行列のできるたい焼き屋さんといえども、物価の高騰には逆らえないようだった。お店には、4月1日から値段を1匹126円から 140円に値上げするという、張り紙がはられていた。原料の高騰、包装紙や公共料金の値上げに、そうせざるを得ないという。そういえば近所の手作りパン屋さんもすべての商品を値上げすると言っていた。ほかのたい焼き屋さんもいずれ値上げとなるのかもしれない。

 折りも折り、1975年に空前のヒットをした昭和の名曲「およげ! たいやきくん」が、日本でもっとも売れたシングルレコードとして「世界ギネス記録2009」に登録されることになった。

 それを記念して、3月5日にポニーキャニオンよりCDシングルとして再リリースされ、オリコンでも最高19位にランクインしている。歌でもたい焼きが注目されていた。

 私は、「およげ! たいやきくん」の記憶はあまりない。けれど、子どもながらにどこか暗い曲だな、と思っていたことだけは覚えている。あらためて歌詞をまじまじと読みながら曲を聴いてみても、「だんご三兄弟」や「お尻かじり虫」のようなはじけた感じはない。一説では、「およげ! たいやきくん」のヒットの背景には、成人層からの支持もあったのではないか、と言われている。

 この曲が、サラリーマンの哀愁を比喩(ひゆ)しているように聞こえるというのだ。たしかに、重ねて聞けないこともない。子どものころ、無邪気な気持ちで聞いていた人が、33年たって大人になり、懐かしみながらも今の世の中に照らし合わせて人生の機微を思いながら、聞いているのかもしれない。値上げの春をもひしひしと感じながら……。

(記者:柳川 加奈子)

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