2008年04月20日(日) 03時04分
詐欺利益で対立「2億豪邸に腹立て殺害」会社役員再逮捕へ(読売新聞)
昨年2月に失跡した東京都内の教材販売会社の元社員が先月、千葉県内で遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で警視庁に逮捕された同社役員が「詐欺の収益を独り占めされたため腹が立って殺害した」と供述していることがわかった。
2人は教材販売に絡む詐欺グループの中心的存在で、元社員が2億円の豪邸を購入したのを知るなどして口論になったことが直接のきっかけだったという。同庁は週明けにも、この役員を殺人容疑で再逮捕する。同庁関係者が明らかにした。
先月31日に千葉県内の山中で遺体で見つかった岡野裕年・元社員(35)の殺害を供述しているのは、同社役員の田端弘幸被告(34)(詐欺罪で公判中)。
詐欺事件の起訴状などでは、田端被告は2001年ごろ、岡野元社員に誘われ、千代田区内に教材販売会社を共同で設立。消費者問題に取り組む架空の団体を装い、一式数十万円もの資格取得用教材を買わされた被害者を探し出しては「会員になれば代金を取り戻せる」と電話勧誘し、コンサルタント料名目で1人60万円を振り込ませる手口の詐欺を繰り返していた、としている。被害は立件分だけで7件420万円に上る。
田端被告の供述によると、同被告は元ヤミ金融業者ら十数人に指示を出すなど詐欺グループを取り仕切っていたが、収益の大半は、詐欺の手口を考えついた岡野元社員に独占されたうえ、岡野元社員が、杉並区松庵の約160平方メートルの土地に立つ豪邸を約2億円で購入したことを知った。
自分の報酬は月数十万円だけで、振込先の口座を実名で開設するなど逮捕の危険を負わされていたため、昨年2月14日、同社事務所で待遇の違いや収益の取り分などを巡って岡野元社員と口論になり、腹が立って刃物で刺したという。
同庁によると、この日以来、岡野元社員は消息を絶っており、岡野元社員の死因は左胸を刃物で刺されたことによる失血死だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080420-00000006-yom-soci