2008年04月18日(金) 12時02分
液晶テレビとPCモニター、悩ましき仕様の違い(オーマイニュース)
夏のオリンピック開催を控え、地上デジタル放送の受信環境は必須となりつつある。地デジチューナー単体で2万円ほどの製品も登場しているのだが、ここはブラウン管ではなく、液晶画面でしっかりと鑑賞したいものである。
■19インチ以下と20インチ以上の間にある微妙な価格差
大画面での迫力が魅力の地デジ放送ではあるが、1人暮らし世帯が財布と相談しながら購入できる価格帯は7万円を切るあたりまでだろう。このあたりで購入できる液晶サイズはおおむね19インチから24インチにぎりぎり手が届くか届かないといったところだろうか。
このとき目立つのが19インチ以下と20インチ以上の間にある微妙な価格差があることに気づく。この1インチの間にある価格差、実は液晶パネルの製造方法からくるコストの差が出ているのだ。
液晶を作る際には、大きなガラス基盤をベースに作られている。ガラス基盤は超精密な平坦(へいたん)性をもち、大きなサイズのものほど価格が高騰していく。19インチの画面が6枚取れるガラス基盤から20インチ以上の画面を取ろうとすると、最大4枚までの画面と利用できない部分が出てくる。すると当然、 19インチよりも20インチ以上の液晶画面の方が製造コストが高くなってくる。
あるいは、効率よく20インチ以上の画面を作るために、より大きなガラス基盤を用いると、ガラス基盤そのものの価格がより高いために、結局は20インチ以上の液晶画面の製造コストが高止まりしてしまう。
そういった関係で、19インチ以下と20インチ以上の間には微妙な価格差が生じてしまうのだ。
■PCが接続できるテレビか? チューナー内蔵のモニターか?
テレビとパソコンの大画面を同時に見る必要がないと、割り切った考えができるのなら、ひとつの液晶画面で両方を兼ねるといったとこも検討してみる価値がある。
よほど低価格なモデルではないかぎり、最近の液晶テレビにはパソコンのディスプレーとして接続できる機能がある。ただし、接続はアナログ信号である場合がおおく、解像度がフルHD(1920×1080)に届かない場合もある。19、20インチの液晶テレビはWXGA+(1440×900)程度の製品がおおいようだ。一見、十分な解像度にも見えるが、パソコンの表示ではアナログ信号特有のにじみで文字が読みとりにくかったり、デスクトップ領域が狭かったりと使い勝手が悪かったりもする。
逆に、液晶モニターに地デジチューナーが内蔵された製品も小数販売されているが、ラインアップはまだ少なく、19、20インチクラスではWSXGA+(1680×1050)程度の解像度が主流となっており、コストパフォーマンスの点で二の足を踏む状況であることに代わりはない。
■8日「PC内蔵用地デジチューナー」が解禁
4 月8日、社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)はパソコン向けフルセグメント仕様の地デジチューナーの解禁を発表した。これにより、従来のパソコンに地デジチューナーを組み込んでの受信が可能となった。これにより、従来のパソコンに若干の投資で美しい放送の恩恵にあずかることが可能となったのである。
パソコンパーツ関連メーカーからは、発売日こそ未定だが対応製品の発表が相次いでいる。ワンセグチューナーの購入を見送っていた私にとってはなんともありがたい発表である。
オリンピックの開催時期をにらみつつ、「PC内蔵用地デジチューナー」の発売とそのコストパフォーマンスを期待しながら、地上デジタル放送が自宅で見られる日を待つ望む日が続きそうだ。
(記者:立花 健治)
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