子どもや若者に人気の樹脂製サンダルがエスカレーターに巻き込まれる事故が多発していることから、経済産業省は18日、米国メーカー「クロックス」の日本の販売会社に商品の改善を要請した。素材の樹脂が軟らかくて伸びやすく、結果として事故につながっていると判断した。
事故が多発している樹脂製サンダル
巻き込まれ事故で破損した樹脂製サンダル=製品評価技術基盤機構提供
巻き込まれ事故は、エスカレーターの終点近くでステップの段差が縮んだときのほか、途中でもステップとエスカレーターの側面のすき間にサンダルが吸い込まれて起きる。ステップの端の黄色い注意ラインの上に立たなければ基本的に起きない。
経産省によると、サンダルの事故は07年5月以降、65件起きた。そのうち少なくとも49件(75%)は子どもの事故で、足の指の骨が折れるなどして2人が重傷を負った。
樹脂製でつま先部分まで覆われたタイプのサンダルの事故は、65件のうち少なくとも33件あった。その大半が、同種商品を07年に国内で約390万足販売し、圧倒的なシェアを持つクロックス社製だった。
経産省所管の独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が事故の再現テストをしたところ、ビーチサンダルや長靴などはほとんど巻き込まれなかったが、軟らかくて伸びやすい樹脂製サンダルはメーカーにかかわらず巻き込まれやすかった。
このため経産省は、クロックス社製の日本での販売会社「クロックス・エイジア」(東京)に対し、商品の材質や構造を巻き込まれにくくすることなどを求めた。同種の商品を製造・輸入する事業者の団体などに対しても、同様の要請をする。
同社は「真摯(しんし)に受け止めている。米国の製品開発部門と連携し、商品の改善をさらに進めていきたい」とコメントしている。 アサヒ・コムトップへ
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