長野市で26日に実施される北京五輪聖火リレーで、出発式を行う予定だった善光寺は18日午前、市に式典会場の辞退を申し出た。市は善光寺側の意向を受け入れる。聖火リレーまで1週間に押し迫った段階で、ルート変更が迫られる事態となった。
善光寺の若麻績(わかおみ)信昭寺務総長ら4人が市役所を訪れ、聖火リレー市実行委員会の篠原邦彦事務局長と面談、寺側の意向を伝えた。
中国政府によるチベット暴動鎮圧が表面化した3月以降、善光寺には「同じ仏教のチベット民族のことを考えるべきだ」などと批判の声が相次いでいた。
17日には役員住職十数人が集まって対応を協議し、境内を出発点とすることに異論の声が上がっていた。
出発式は、善光寺本堂と三門の間に会場を設け、点火式や小学生のマーチングバンドを行う予定だった。式典による一般参拝者の立ち入り禁止規制など、警備上の問題も浮上していた。
実行委は、既に複数のコース代替案の検討を始めている。
公募を含め80人のランナーがつなぐ計画は継続したいとしている。
聖火リレーについては、ロンドンやパリで妨害や激しい抗議行動が相次ぎ、各国でルートの変更や短縮が相次いでいる。
(中日新聞)