2008年04月17日(木) 17時30分
さざれ石、「君が代」とのツナガリは?(オーマイニュース)
最近、オーマイニュースで霧島神社(鹿児島県)に安置されているさざれ石を大谷憲史記者が、また出雲大社(島根県)のさざれ石が大村賢三記者によって紹介されていました。
さざれ石は東京・千代田区九段北の靖国(やすくに)神社と港区元赤坂の明治記念館でも見ることができます。
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さざれ石は地学で石灰質角礫岩(せっかいしつかくれきがん)と呼ばれる岩石です。岐阜大学のWebサイトにある「岐阜県の地学」によると、生成の過程は、大小の角ばった石灰岩の礫(れき)が積み重なり、長年のあいだに雨水に溶け出した石灰分がすき間に沈着して、セメントで固めたようになった岩石のことだそうです。
靖国神社のさざれ石は第1鳥居(大鳥居)に向かって右側にあります。幅2.6メートル、高さ1.2メートル、奥行き1.8メートルの暗緑灰色の岩石で、よく見るとうっすらとコケのようなものが見えます。三方を木立に囲まれていますが、参道のすぐそばで、よく見える所にあります。しかし、案内板もなく、多くの人はそこにある岩石がさざれ石であることに気づかないまま通り過ぎているようです。
ためしに前を通る人に尋ねてみたところ、
「知りませ〜ん。すみませんね」
「さあ〜どこにあるのでしょう? あちらの社務所で聞いて見られたら?」
「あ、ぜんぜん……」
などとつれない返事も。
結局、10人に尋ねて、「これです」と答えた人はゼロでした。皆さん、目の前に立っているのですがね。ここではさざれ石は、人知れず鎮座ましますただの石といったところでしょうか。
一方、厳かな結婚式と華やかな披露宴でにぎわう明治記念館では、さざれ石は美しい芝生の庭の奥にある、よく手入れされた植栽のあいだに置かれています。幅1.2メートル、高さ70センチ、奥行き65センチの岩石の表面には礫(れき)が露出していて、生成の理屈が納得できます。
この石は1988(昭和63)年に、岐阜県揖斐郡春日村(現在の揖斐郡揖斐川町)から寄贈されたものだそうです。記者の質問に答えて、同館では
「明治神宮のグループと言っても、別に『君が代』につながるイメージをPRしてはいません」
と話していました。それよりも、
「結婚して家庭を作り上げていくお二人を祝福するにふさわしい、おめでたい石とも言えるでしょう」
と。ここではおめでたい石です。
(記者:矢山 禎昭)
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