2008年04月16日(水) 17時46分
『ビッグイシュー』販売ホームレス、路上に復活(オーマイニュース)
ホームレスが売る雑誌『ビッグイシュー』の地下販売ブースが14日、閉店した。昨年12月27日に設置されて3カ月半。ようやく認知度が高まってきたところだが、雪解けに合わせて路上販売を再開する。
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地下販売ブースが設置されたいきさつは、既報の通り。このスペースを貸し出すにあたり、市当局と支援団体の間では、冬季期間という期限を設けていた。4月も半ばになれば雪は降らないし、寒さも路上での販売が困難なほどではないだろうと考え、4月15日を期日にした。
『ビッグイシュー』は、毎月1日と15日に最新号を売り出す。キリのいいところで4月15日号から路上販売にしようと、支援団体と販売者は相談した。したがって、地下販売ブースの最終日は14日に決定。お客さんには閉店告知チラシを配布した。
14日、お昼の当番にあたっていた販売者に売れ行きを尋ねると「いつもと変わらないねぇ」。最終日のご祝儀買いは期待したほどでもないらしい。
一方、期限いっぱいまで使うと考えていた市当局は15日、ブースを訪れるも販売者不在に驚いた。窓口を担った保健福祉局の保護指導課長は、販売日の事情を支援団体に聞かされ納得。
10日には民放ローカルニュースで地下ブースの閉店が取り上げられ、同課長がインタビューに答えた。「市民からの苦情はほとんど無かった」とテレビカメラに向かってコメントしていたが、本当だろうか。あらためて尋ねると「本当にありませんでした」とのこと。
■周囲は温かく見守っていた
15日夕方、枠組みだけになったブースを訪れる。近々この枠組みも撤去され、昨年末までのデッドスペースに戻る。ブース横には地下鉄コンコース清掃担当者の詰め所がある。3カ月半、毎日雑誌を売るホームレスを眺めながら清掃道具を出し入れしていた。「昨日で終わったんだってね。結構売れたんでしょ?」。つなぎに身を包んだ男性がにこやかに話しかけてくれる。
向かい側には深夜、備品を預かってもらっていた防災センター。警備担当の年配男性が「終わっちゃったねぇ。あ、いすがまだ残ってるけど誰が取りに来るのかな?」。周囲の人々の温かさは、雪をしのぐ以上の心地よさを販売者に与えていたはずだ。
支援団体では次の冬も地下販売ができるよう、市に要望している。
(記者:矢橋 潤一郎)
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