【ジャカルタ=矢野英基】インドネシアで人気の健康マッサージ店で、売春防止に女性マッサージ師のズボンに鍵をつける動きが出ている。マッサージを隠れみのにした売春を撲滅するために考案されたが、「女性への侮辱だ」と反発の声が上がっている。
同国ではジャワ島やバリ島などを中心に健康増進や疲労回復のため、伝統的なマッサージが盛んだ。しかしマッサージ店の看板を掲げて売春行為をする店が後を絶たない。
ワルタ・コタ紙などによると、東ジャワ州の中規模都市バトゥ市は今年から、10軒程度あるマッサージ店に鍵付きズボンを順次導入している。ひも状のベルトの両端とチャックを南京錠でつなぎ、鍵をかける仕組み。客と個室に入る前に店長が施錠し、マッサージが終わると解錠する。売春撲滅に手を焼くジャカルタ特別州観光局も導入を検討している。
しかし、ムティア・ハッタ国務相(女性問題担当)は「モラルを守ろうとする努力には反対しないが、女性マッサージ師をみな売春婦とみているようなもので、辱めている」と地元記者団に語った。 アサヒ・コムトップへ
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