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2008年04月16日(水) 03時00分

後期高齢者医療、79自治体で徴収ミス…問い合わせ殺到読売新聞

 今月スタートした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で、保険料の年金からの天引きが初めて行われた15日も、各地で保険料の誤徴収が発覚した。

 読売新聞が、各都道府県の広域連合などを通じて集計した結果、東京都文京区や北海道恵庭市など、この日だけで少なくとも37自治体で判明。これにより、徴収ミスを犯した自治体数は計79に達した。自治体窓口には「制度が分かりにくい」などの問い合わせが相次ぎ、職員が説明に追われた。

 東京・文京区で明らかになった誤徴収は2222人分の計約4082万円。区によると、本来は激変緩和措置で保険料天引きが一定期間猶予されるサラリーマンの被扶養者などが天引き対象になっていた。区では「誤徴収の対象者に連絡し、できるだけ速やかに還付処理する」としている。この日はほかにも、北海道の6自治体、徳島県の10自治体などでミスが判明した。

 市区町村の窓口は15日も問い合わせの人や電話で混乱した。東京都練馬区の高齢社会対策課では、約20本の電話が鳴りっ放し。同課の担当者は「年金天引きへと支払い方法が変わっただけだが、負担が増えると不安を感じている高齢者が多いため、説明を尽くしたい」と話していた。

 一方、厚生労働省は15日、新保険証が本人に届いていない事例は14日現在で約4万5000件になったと発表した。各自治体が電話で本人と連絡を取るなどしたため、9日現在の約6万3000件よりも減った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080416-00000003-yom-soci