7月に閉店する大阪・道頓堀の飲食店「くいだおれ」の商標と看板人形の「くいだおれ太郎」について、新世界の通天閣を運営する通天閣観光が買い取りを打診したことがわかった。同社の高井隆光副社長は「くいだおれは大阪のシンボル。ナニワ文化はナニワ商人が守らなあかん」と話している。
「くいだおれ」の店頭は、記念撮影をする人たちでごった返した=12日午前、大阪・道頓堀、川村直子撮影
高井副社長によると、くいだおれが閉店を正式発表した翌日の10日、同店が保管する写真なども含めて買い取りたいと打診した。買収額は今後提示する。実現すれば、通天閣の展望台入り口に太郎を設置。くいだおれの歴史を紹介する展示コーナーや、くいだおれを屋号にした飲食店を設けることも考えているという。
「通天閣とくいだおれは大阪人の喜びや悲しみを見守ってきた。ビリケンとともにくいだおれを守りたい」と高井副社長。くいだおれの山田昌平社長は通天閣からの打診を認め、「同じような話はすでに100件以上いただいている。売却先の決定はまだ時間がかかる」と語った。
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くいだおれの閉店発表から初めての週末を迎えた12日、店には午前11時の営業開始前から多くの観光客らが訪れ、カメラ付き携帯電話などで太郎を撮影する姿がみられた。通天閣の買い取り打診について、大阪市福島区の無職土井喜弘さん(69)は「ええやん。ビリケンさんと仲良くやって」。
閉店発表以降は普段の2倍近い来客があり、平日の昼時は満席状態という。柿木道子会長は「大変ありがたい。最後まで頑張ります」と話している。 アサヒ・コムトップへ
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