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2008年04月09日(水) 03時01分

中米ODAでリベート、コンサル大手PCIが2500万円読売新聞

 国が中国で進める遺棄化学兵器処理事業を巡り、事業費の不正流用が発覚したコンサルタント大手「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)が2000年〜04年ごろ、中米コスタリカなどで行われた政府開発援助(ODA)事業で、現地の有力者らに約2500万円のリベートを渡していたことがわかった。

 PCIは東京国税局の調査に支出先を明らかにしなかったため、同国税局は「使途秘匿金」と認定し、重加算税を含めて2千数百万円を追徴課税した。

 PCIは昨年10月、遺棄化学兵器処理事業で約1億円の不正な会計処理をした疑いがあるとして、特別背任容疑で東京地検特捜部の強制捜査を受けた。今回の課税処分はこの疑惑とは別で、同社のリベート工作の一端が課税から裏付けられた形だ。

 PCIは00〜04年度、コスタリカなど51か国でのODA事業で、国際協力機構(JICA)から調査業務を受注した。

 PCIの関係者らによると、PCIはコスタリカ北西部の農業開発調査などの業務を円滑に進める目的で、同国など複数の国で現地の有力者やブローカーに対しリベートを提供。その費用を下請け先に支払った業務委託費の中に上乗せする形で、JICAに請求していた。

 調査に入った東京国税局は、リベート分はPCIの経費に認められない可能性が高いとして支払先を明かすよう求めたが、同社から拒まれたため使途秘匿金として通常の法人税率(30%)にさらに重い税率(40%)を加えて課税したという。

 PCIの不正経理については、コスタリカのほかラオス、ブラジルなど16か国の事業で、JICAなどに水増し請求していたことが会計検査院の調べで判明した。不正経理の総額は1億4000万円に上り、PCIは04年にJICAから指名停止処分を受けている。

 PCIの担当者は取材に「事実確認できていない」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080409-00000004-yom-soci