2008年04月08日(火) 06時11分
社保事務所、年金107万円を不正受給 いわき(河北新報)
平社会保険事務所(福島県いわき市)で1978年から82年にかけて、年金受給者の非常勤職員3人の給与(標準報酬月額)を低く装い、厚生年金約107万円を不正受給させていたことが分かった。年金をもらいながら働く場合、給与が増えると受給額が削られる制度を逆手に取った。当時の内部調査で判明したが、社保庁が昨年9月にまとめた職員の着服・不正受給リストでも公表していなかった。
福島社会保険事務局によると、平社会保険事務所は78年7月から82年2月まで、3人の標準報酬月額を1カ月9万2000円から8万円に改ざん。3人は収入を少なく見せかけることで、本来は半減する年金受給額を2割減にとどめた。不正受給額はそれぞれ75万5000円、26万1000円、5万6000円だった。
82年3月の内部調査で判明後、3人は不正受給分を返納し、改ざん期間中の所長2人と事務作業を担当した総務課長、業務一課長の4人が減給、戒告などの処分を受けた。当時の調査に対し、改ざん開始時の所長は「3人のうち1人が事務所OBで、改ざんするように要求された」と答えたという。
同時期に受給者ではなかったほかの非常勤職員3人の給与も低く見せかけており、本来の算定基準で保険料を徴収し直した。
社会保険庁職員課は「関係者の大半が死亡しており、現存する記録からは横領や不正受給などに当たるとまでは判断できず、公表しなかった」と説明している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080408-00000009-khk-l07