2008年04月08日(火) 03時00分
<田中元検事>ベンチャー事業に9億円…破綻し怒る出資者(毎日新聞)
田中容疑者が9000万円を流用したとされる事業は、他に数百人から集めた出資金など総額約9億円をつぎこんだ末、目標金額に達せずに破綻(はたん)していた。9億円は提携相手の米国企業との契約上、21年ごろまで返還されないという。出資者らは「だまされたも同然」と怒っている。
事業を進めていたのは元パイロットらが00年に設立し、田中容疑者が実質的なオーナーだった「テラ・マトリックス」(東京都)。関係者によると、米国の航空測量会社のデータを基に作った3次元地図などを販売する計画だった。
同社が02年に大阪市で開いたシンポジウムは、宇宙飛行士の毛利衛さんらを招き「夢の事業」と宣伝。一方で田中容疑者は「近い将来上場する。値上がり確実」などと勧誘し、株券を売るなどして数百人から6億円前後の出資を募り、さらに約3億円を借金して米国会社に送金した。
事業は米国会社に1500万ドル(当時約18億円)払わなければ販売権を得られない条件だったが、期限までに集められなかったため契約は破棄され、約9億円は20年間返還されないという。
友人らと約3億円を出資した兵庫県内の男性は「『市町村などに電子地図を配信し、うん兆円事業になる』と言われて信じた。失敗しても謝りもせず、また出資してと言われた」と声を荒げた。
田中容疑者は毎日新聞の取材に「米国会社と再度交渉して方針を早急に決めたい」と書面で回答した。【藤田剛、林田七恵】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080408-00000015-mai-soci