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2008年04月07日(月) 10時00分

殺人米兵を甘やかす思いやり予算は第2のガソリン税だ日刊ゲンダイ

 横須賀市のタクシー運転手刺殺事件は、発生から15日目、米海軍横須賀基地所属でナイジェリア国籍の黒人水兵オラトゥンボスン・ウグボグ(22)が、やっと神奈川県警に逮捕された。調べに「人を刺せという声を聞き、誰でもいいから刺すつもりだった」と話しているという。
 同じ日、国会では「思いやり予算」の半分にあたる、米軍基地の労働者の人件費、住宅の光熱水費、艦載機などの訓練移転費を負担する「特別協定の承認案」が衆院で可決された。
 参院では野党4党の反対で否決されるが、衆院の議決が優先。これで今年度も日本は、米軍へ1416億円差し出すことが確定だ。
 この「特別協定」は、ガソリン暫定税率とそっくりなのだと、ある野党関係者が言う。
「特別協定が締結された87年には、当時の藤井宏昭外務省北米局長が『暫定的、一時的、限定的、特例的な措置』と強調しています。にもかかわらず、ズルズルと20年以上も続き、今回また3年延長されようとしている。日本は“世界一気前のいい同盟国”と、アメリカからヤユされながらも、在日米軍を甘やかしてきたのです」
 これが全部国民の税金なのだからフザケタ話だが、使い道もデタラメそのものだ。
「基地で働く従業員の20%以上にのぼる5600人が、バーやゴルフ場、ボウリング場など、米兵向けの娯楽施設の仕事に従事しているのに、その給料も全部日本持ちなのです。民主党内から『道路特定財源のムダ遣い以上だ』『娯楽関連の人件費まで日本が負担したままでいいのか』と大ブーイングです」(野党関係者=前出)
 警察庁調べでは、殺人、強盗、放火、強姦の凶悪事件(未遂含む)で米兵が検挙されたのは、02年から06年の5年間だけで31件にのぼる。
 在日米軍司令官のケリー少将は、横須賀市役所に出向いて、今回の殺人事件を謝っていた。だが、それは思いやり予算への批判を封じるポーズに過ぎないだろう。予算さえもらえば、また植民地日本のことなどハナも引っかけなくなり、我が物顔で振る舞い始めるはずだ。悪名高き不平等地位協定と思いやり予算を日本ペースに戻さない限り、つけ上がった米兵の凶悪犯罪は絶対なくならない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080407-00000008-gen-ent