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2008年04月07日(月) 22時06分

<市長神社祝辞>1審変更し、違憲判断 名古屋高裁毎日新聞

 石川県白山市の角光雄市長が地元神社の行事に出席し祝辞を述べたのは憲法違反だとして、行事に関連して支出した公費1万5800円を返還するよう求めた住民訴訟の控訴審判決が7日、名古屋高裁金沢支部であった。渡辺修明裁判長は「祝辞を述べた行為は宗教的意義を持ち、憲法20条の禁止する宗教的活動に当たる」として違憲と判断して1審判決を変更。角市長に対し、同行運転手の勤務手当2000円を返還するよう命じた。 

 原告は同市内の男性市民。判決によると、角市長は05年6月25日、同市内のホールで開かれた神社の鎮座2100年記念の大祭に関連する「奉賛会発会式」に来賓として招かれ、祝辞を述べた。

 渡辺裁判長は「津地鎮祭訴訟」最高裁判決(77年)に従い、目的に宗教的意義があるかなどを検討。奉賛会は神社中心に結成され、神社内に事務局を置く▽大祭は宗教心の醸成が目的−−などから宗教活動であることは明らかで、奉賛会も宗教上の団体と認定した。

 そのうえで、市長が来賓として出席し祝辞を述べたことは「宗教上の祭祀(し)である大祭を奉賛し、祝賀する趣旨を表明したものと解するのが相当」と判断。「市と神社のかかわり合いは社会的、文化的に相当な限度を超える」と述べた。

 市は「大祭は観光の一大イベントで、実行にかかわりがある立場だ」などと主張。昨年6月の1審・金沢地裁判決は男性側の請求を棄却した。【野上哲】

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