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2008年04月04日(金) 00時00分

クローン食品 米、自粛は「初代」のみ読売新聞

「子孫」日本輸入の可能性も

 体細胞クローン技術で作った牛の肉などの「クローン食品」について、米国が出荷自粛措置を継続しているのは、同技術で作った「初代」の動物だけで、子孫や精液は含まれていないことが3日、わかった。

 日本政府の問い合わせに対し、米国側が回答していた。米国市場で出回れば、日本に輸入される可能性もある。体細胞クローン食品は安全性に問題がないとの研究結果が出ているが、消費者の不安も強いだけに、表示などのルール作りが議論になりそうだ。

 米国では、食品医薬品局(FDA)が今年1月、牛、豚、ヤギなどの体細胞クローン食品について「従来の家畜に由来する食品と安全性は同等」とする最終評価を公表し、安全宣言を出した。その一方で、米国農務省は、市場の混乱を避けるため、出荷の自粛は当面続けると発表した。

 この発表当初、米国の出荷自粛の範囲が不明確だったが、厚生労働省は3日の内閣府・食品安全委員会で、委員の質問に対し「1月までFDAで出荷自粛要請が行われていたが、その後は初代だけなっている。実際に市場にどう現れてくるのか明確な情報はない」などと答えた。関係者によると、米国側から2月、対象は体細胞クローン初代だけで、子孫や精液は対象外と通知された。FDAは安全宣言を出す1月までは初代と子孫の出荷自粛を要請していたが、その後は農務省が初代の自粛要請だけを継続させたという。

 このため、米国では体細胞クローン動物の子孫から作った肉や乳製品は販売できる。厚労省は「安全性に問題がない以上、輸入制限は難しい」とし、「子孫の出荷自粛が解除されて間がないため、全くとはいえないが、それほど流通していないのではないか。日本に入って来るまでにもしばらく時間がかかるだろう」との見方も示している。

 体細胞クローン 未受精卵の核を抜き取り、動物の皮膚や筋肉の細胞から取り出した核を移植して、代理母の子宮に入れ、その動物と同じ性質を持つコピーを誕生させる技術。その子孫は、通常の生殖により誕生する。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20080404gr02.htm