2008年04月03日(木) 15時51分
大阪・第七藝術劇場 「靖国」来月上映の意向 「中止は過剰反応」(産経新聞)
靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を取りやめる映画館が相次いでいる中、大阪市の「第七藝術劇場」(96席)が5月10日から上映する意向であることが3日、分かった。問題が浮上する以前から予定していたスケジュール通りだという。これまで東京、大阪、名古屋で計6館が上映中止や延期を決めており、上映する意向を示した劇場は初めて。関西ではほかに京都シネマも今夏に上映する方向で配給側と調整している。
「靖国」は、中国の李纓(リ・イン)監督が約10年間にわたり、軍服を着て参拝する人や追悼集会など終戦記念日の靖国神社の風景や、靖国刀を作り続ける刀匠を追うことで、日本人の魂や記憶を問うドキュメンタリー映画。週刊誌が取り上げたり、自民党の若手議員が試写会を求めたことなどで話題を呼び、上映を中止する映画館が相次いだ。配給側などが「表現の自由の危機」とする声明を発表、李監督も「日本が『失語症』にならないことを願っている」と話している。
第七藝術劇場は、社会派ドキュメンタリーや芸術色の強い作品を多く扱う映画館。過去にも昭和天皇を描いた「太陽」や原爆を扱った「ヒロシマナガサキ」など話題作を上映してきた。同劇場は「他の劇場でも実害が出たわけではなく、過剰反応ともいえる。私たちには今の段階では目立った妨害もなく、上映する方向。見た人たちの議論の場にしてほしい」としている。
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