記事登録
2008年04月02日(水) 09時59分

<ネットスラング>PKってなに? ネット空間で花盛り毎日新聞

 「KY」は空気が読めないの意味。では「kwsk」「PK」は−−? 携帯メールやインターネットのブログなどで使われる俗語「ネットスラング」。新たなものが日々生まれ、今日もネット上を飛び交っている。(文中に説明がないネットスラングは表参照)【柴田真理子】

 ◇浮かんでは消える

 「これはネ申」。この言葉をネットの掲示板で見た東京都の男性会社員(25)は意味が分からず、過去の書き込みをたどった。投稿者への感想でよく使われていた。「ネ申」はネットの横書きだと「神」の字に見え「褒める意味と推測した」。

 最近気になっているのが「スイーツ(笑)」。菓子を「スイーツ」と呼ぶ流行に踊らされていることを皮肉るニュアンスが「シュールで面白い」。

 飲食店勤務の男性(18)は、メールの文末に「ヨロ」「アゲ」を付ける。「ヨロはよろしくの略、アゲはテンションを上げる時に使う。本当の意味はよく分からない」と話す。

 自然発生的に生まれ、はやり、消えていくネットスラング。だが、KYのように一般に浸透する言葉はわずか。正確な意味は分からないまま使っているケースも多い。

 ◇外来語や商品名

 検索サイト「goo」はこれまでに3回、ネット用語に関する調査をした。06年8月の調査では「キター」「orz」「キボンヌ」など、ネット生まれの小説「電車男」関連の言葉が注目されていた。一方、07年8月の調査は「gkbr」「ksk」など、言葉をローマ字で入力した場合の頭文字をとったものが目立った。

 東京大学生産技術研究所の喜連川優教授の研究室では、ブログなどで使われているネット新語を集め、分析している。鍛治伸裕特任助教が、最近注目しているのは「ハラシマる」(原稿を書く、由来は誤表記「原縞」)▽「バモる」(サッカーを応援する、スペイン語から)▽「ドリボる(人気の舞台『ドリームボーイズ』のDVDを見る)」▽「バルビる(ゲーム『バルビレッジ』で遊ぶ)」など。間違った漢字表記や外国語、商品名など、語源はさまざまだ。

 ◇空気を読む

 「KY式日本語」(大修館書店)の編著者、北原保雄さんは「『空気』という言葉から頭文字の『K』という発想が出るのは、ローマ字入力に慣れたネット社会だからこそ」と話す。はやるかどうかは「表現する内容が時代をとらえているかによる」。KYは排他主義が進む世の中で、グループに入りたいがなじめない不安を表現していると考える。

 「メールを打つときに早いし、言葉遊びとしての面白さもある。ただ、KYは『空気を読め』『空気を読もう』など複数の意味にとれ、助詞も文末もあいまい。日本語として大切な部分を意識しなくなっているのは問題だ」と指摘する。

 また、パソコン雑誌「PCfan」の編集部、須藤創さんは「ネットスラングは、使っていい場合か見極めて。それこそ『空気読め』でしょう」と話す。

  ◇ネットスラングの一例◇

<kwsk> 「詳しく」の略

<PK> パンツ食い込む

<キター> 何かが出現、登場したときの驚き・期待などを強調する表現。「ktkr」「キタコレ」とも書く

<orz> がっかりしたこと。両手とひざを地に突き、頭を垂らした落胆した様子。絵文字風やOTLなどでも書かれる

<キボンヌ> 「希望します」の意味

<gkbr> ガクガクブルブルの略。恐れおののく様子を表す

<ksk> 「加速」の略。ネット上の対話などを早く進めたい時に使う

<おk> 「OK」のこと。ひらがな入力のまま入力すると、こう表示される

<WH> 話題変更

※gooランキング、はてなダイアリーキーワード、PCfan、KY式日本語などを参考に作成

【関連記事】 ゲーム批評:「らき☆すた〜陵桜学園 桜藤祭」 オタク心満載 “禁断”の恋愛要素も
【関連記事】 07先読み流行語大賞 KY、空気読め!の一年
【関連写真特集】 新語・流行語大賞:遼クン「またハニカんじゃう」 
【関連記事】 バルドバレット:「エヴァ」宮村優子、「ケロロ」中田譲治ら主役級ずらり

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080402-00000019-mai-soci