企業に正しい決算を公表させるため、公認会計士に不正の通報義務などを課す改正公認会計士法が1日、施行された。決算をチェックする会計士自身が不正に加わったカネボウなどの粉飾決算を踏まえて、企業と会計士の「なれ合い」を解消するのが狙いだ。
会計士にとって、監査契約先の企業はチェックの対象である一方で、雇い主でもある。このため、遠慮が生じる恐れがあった。
改正法では会計士の独立性を強化。企業側に不正を指摘しても直さない場合に金融庁への通報を義務づけ、遠慮せずに指摘できるようにした。会計士の再就職については、以前から禁じていた監査先企業のほかに、子会社などへの再就職も禁ずる。さらに、上場企業を5年担当した大手監査法人の主任会計士には交代を義務づけ、その後の5年間は担当できないようにした。
当局による行政処分は、これまでは「戒告」の次に重い処分が「業務停止」だったため、発動は慎重になりがちだった。1日からは業務改善命令や課徴金制度を新設し、機動的な処分を可能にした。 アサヒ・コムトップへ
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