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2008年03月31日(月) 14時31分

米系ファンド、140億申告漏れ…日本に資産なく徴収不能読売新聞

 米投資会社「ローンスター」が関係する投資ファンドが東京スター銀行の不良債権処理を巡り、東京国税局から約140億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。

 同国税局は国際的な租税回避行為と認定し、無申告加算税を含め約50億円を追徴課税したが、同ファンドには日本に資産がなく、税金を徴収できない事態になっている。

 関係者によると、申告漏れを指摘されたのは、税率が著しく低い租税回避地(タックスヘイブン)の英領バミューダ諸島にある投資ファンド。2002年から03年にかけて、国内やアイルランドの複数のファンドを介して、破たんした旧東京相和銀行の事業を継承した東京スター銀行から不良債権を購入した。最終的に売却して巨額の利益を得たが、「日本に活動拠点を持っていない」として申告していなかった。

 東京国税局は、一連の不良債権の処理でファンドが得た所得は日本に活動拠点がなければ申告が不要となる「事業所得」にはあたらず、拠点がなくても申告が必要な「資産運用所得」だったと認定。06年にファンドに申告漏れを指摘した。

 しかし、ファンドは税金を滞納。ファンドの関係者が日本にいないため、利益もすべてバミューダに送金されたとみられる。現行制度では、滞納者の海外資産は差し押さえなどができない仕組みで、このまま取りはぐれる可能性が大きい。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080331-OYT1T00410.htm?from=top