東北経済産業局は27日、医療効果のない電気温熱健康器を「病気が治る」と偽って販売したとして、訪問販売会社「トーショウ」(東京)に対し、特定商取引法に基づく業務停止命令を行った。業務停止は28日から1年間。
同局によると、同社は昨年10月〜今年1月、全国15県の計約1800人に健康器を販売、計約3億6000万円を売り上げた。被害者の8割が70歳以上の高齢者。県別の被害規模は、宮城県が635人、計約1億2700万円と最大だった。
同社は営業員7〜8人で高齢者宅を訪問させ、携帯ラジオやリンゴの皮むき器などの景品を見せて勧誘したうえで、「糖尿病や高血圧に効く」「腰や肩の痛みがとれる」など根拠のない効能をうたい、健康器の売買契約を結ばせていた。また、購入を断った人には、大声で威圧したり、執拗(しつよう)に勧誘したりするなどしていたといい、特定商取引法違反(不実告知、威迫・困惑)などの疑いがあるという。
昨年12月には、仙台市内の女性(82)宅を訪問した同社営業員らが、近所の高齢者ら約20人を集めて販売会を開催。営業員らは高齢者の太ももを指で強く押し、「ここが痛むのは腰が悪いから。健康器をあてれば治る」などと説明。22万8000円で健康器を購入した女性は、「雰囲気に飲まれた」と話しているという。
仙台市消費生活センターに苦情が相次いだことから、同局が今年1月末、同社を立ち入り検査していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20080327-OYT8T00809.htm