2008年03月25日(火) 22時38分
<NHK>「国際放送、国益主張を」…経営委員長が発言(毎日新聞)
NHK経営委員会の古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が、NHK国際放送の編集方針について「(国際間で)利害が対立する問題については、国益を主張すべきだ」などと発言していたことが分かった。「国際番組基準」改定の審議過程で主張したもので、改定内容には盛り込まれなかったが、識者から公共放送の中立性に触れかねないと批判の声が出ている。
4月施行の改正放送法でテレビ国際放送を外国人向けと日本人向けに分けることに伴い、NHK側は経営委に基準改定原案を提示。審議が行われた11日、古森委員長は「国際放送はただ強化するだけでなく、一歩踏み出せということ」などと主張した。これに対し、NHKの今井義典副会長は「NHKの放送では、日本の立場を直接主張するということはない」などと反論。多賀谷一照委員長代行は「日本政府の立場だけをもっぱら出すのでは、国営放送になってしまう」などと述べた。
古森委員長は25日の経営委終了後、「国内放送では中立不偏で多面的な見方を示せばいいが、国際放送では意見の羅列だけでは済まない」と発言の真意を説明。国際番組基準に「重要な政策および国際問題に対する公的見解を正しく伝える」との条文があることから「すでに(自分の主張が)盛り込まれている」と判断したという。【丸山進】
▽服部孝章・立教大教授(メディア法)の話 国営放送と勘違いしており、ジャーナリズムに対する冒とくだ。英BBCは時の政権から距離を置くことで信頼を得ており、NHKもできるだけ真実を伝えていくべきだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080325-00000157-mai-pol