2008年03月21日(金) 23時05分
<横須賀殺人>「起訴前引き渡し」再燃も…米兵関与の可能性(毎日新聞)
神奈川県横須賀市のタクシー運転手殺害事件に米兵の関与の可能性が浮上したことで、米兵犯罪を巡って焦点となってきた容疑者の起訴前の身柄引き渡し問題が再びクローズアップされる可能性が出てきた。沖縄での米兵犯罪を受けて日米地位協定見直し論が高まる中だけに、政府は世論への影響を懸念している。
95年の沖縄少女暴行事件では、地位協定に基づいて容疑者の身柄引き渡しが起訴後になったことから、地位協定見直しを求める声が高まった。日米両政府は同年10月、殺人、強姦(ごうかん)の凶悪犯罪で日本側から起訴前に身柄引き渡しの要請があった場合、米側が「好意的考慮を払う」との運用改善で合意した。
この合意に基づく引き渡し要請は現在までに5件。そのうち、横須賀市で06年に起きた米海軍兵による強盗殺人事件を含む4件については米側が要請に応じて身柄を引き渡したが、沖縄県で02年に起きた女性暴行未遂事件の際は拒否され、起訴後となった。
起訴前の身柄引き渡し問題は、地位協定見直し論のメーンテーマ。米軍基地がある14都道県で作る渉外知事会(会長・松沢成文神奈川県知事)は今月11日、「被疑者の速やかな拘禁移転の明記」などの見直しを政府に要望している。【上野央絵】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080321-00000158-mai-pol