2008年03月20日(木) 11時00分
殺人:72歳男性、刺され死亡 現場に自転車−−土浦 /茨城(毎日新聞)
19日午前9時20分ごろ、土浦市中村南5の無職、三浦芳一さん(72)の次女(34)から「父が刺された」と119番通報があった。三浦さんは自宅玄関前で血を流して倒れており、間もなく死亡した。県警は殺人事件と断定し、土浦署に捜査本部を設置した。現場には三浦さんのものではない自転車が放置されており、事件に関係している可能性もあるとみている。調べでは、三浦さんはあおむけの状態で見つかり、首の左側には刺し傷が1カ所あった。自宅2階にいた次女が「助けて」という叫び声を聞き、鍵の掛かった玄関を内側から開けて三浦さんを見つけた。ズボンのポケットには財布が入っていたという。
自転車はマウンテンバイクで、玄関前の路上にあった。防犯登録の番号などから同市の20代の無職男性が持ち主とみられるが、行方が分からないという。【山本将克、清野崇宏】
◇静かな住宅街、悲報に知人ら「なぜ」−−定年後、悠々自適の生活
JR荒川沖駅から北に約1・5キロの静かな住宅街で惨劇は起きた。趣味のパソコンや習字を楽しんでいたという三浦さん。定年退職後の悠々自適の生活が、何者かによって突然奪われた。
近所の住民らによると、三浦さんは電機メーカーを退職。パート従業員の妻(60)と無職の次女(34)の3人暮らしだった。午前8時ごろ、妻を勤務先のデパートに車で送るのが日課で、この日も妻を送り届けた後だった。近くの女性(57)は「静かに暮らしていたのに、なぜ」と声を震わせた。
市内の寺の世話役を引き受けていた。「率先して手を貸してくれた。穏やかな人だったのに」。悲報を聞いた寺関係者は戸惑いをあらわにした。
一方、学校関係者も対応に追われた。市教委は19日昼、公立の幼稚園、小中学校に「犯人は逃走中」とファクスで呼びかけ、中学校では放課後の部活動が中止になった。現場から約300メートル離れた中村小では卒業式の直後で、男子児童の母親は「もうすぐ春休みだから心配。早く犯人を捕まえてほしい」と話した。【山崎理絵、原田啓之】
3月20日朝刊
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