2008年03月18日(火) 15時02分
<旧美里町>工事費5%裏金に…業者、役場に持参 和歌山(毎日新聞)
和歌山県旧美里(みさと)町=現・紀美野(きみの)町=の裏金問題で、最後の旧町長、段木(だんき)晃氏(60)の前任の小馬場(こばば)俊彦氏(83)時代、町発注工事の受注業者が、工事費の一定割合に相当する額の現金を町役場に持参し、町幹部に直接渡していたことが分かった。町幹部らは、受け取った現金を主に利率の高い定期預金に入れて蓄財していたという。
地元建設業者によると、町への持参は慣例として行われ、金額は工事費の5〜6%程度。この業者は、渡した金が工事費に回って新たな仕事を発注してもらえると考えていたといい、「ほかの業者もそうしていた。裏金としてプールされているとは思わなかった」と話した。
一方、小馬場氏時代の収入役は、「裏金は大体、1年の定期預金にし、十数通ぐらいの通帳があったと思う。満期になるとその都度、また定期にした」と証言。「定期なら10年で2倍になるような高金利時代だった。表の会計は普通預金なので、利子は知れていた」と説明した。
また、裏金は91年に13億5000万円で完成した役場新庁舎の建設費にも充てられたといい、収入役は「地方債と町の金だけでは足りず、大きな額を一般寄付金名目で(町予算に)入れていた」と話した。
旧町の決算書によると、88年度に200万円だった一般寄付金は、89年度に2億3700万円に急増。90年度も3億2800万円、91年度8000万円で、92年度に1万円に激減している。
小馬場氏は1967〜99年、8期にわたって町長を務めた。工事費の一定割合を環流する「慣例」は90年代後半になくなり、段木氏時代もなかったという。【久保聡、安藤龍朗】
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