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2008年03月12日(水) 02時31分

<道路財源>国交省OBが常勤役員独占 公益法人の半数毎日新聞

 道路特定財源から事業1件当たり500万円以上の収入を得ている公益法人50団体の半数で、報酬のある常勤役員を国土交通省OBが独占していることが11日、国土交通省の道路整備事業を総点検する改革本部(本部長・冬柴鉄三国交相)の調べで分かった。また、次官や道路局長の経験者が役員を掛け持ちしている団体も多く、有力OBに国交省とのパイプ役を期待する構図が浮き彫りになった。改革本部はこうした実態を是正するため、役員数の削減や団体の民営化を進める方針。

 50団体の常勤役員計170人のうち、国交省OBは128人と全体の75%を占めた。常勤役員には、財務省や経済産業省、警察庁のOBなども含まれた。

 国交省OBが常勤役員を独占している団体の中には、3部約9200万円でインターネット上の百科事典「ウィキペディア」を丸写しした報告書を作成したとされる「国際建設技術協会」や、トンネルなどの構造や補修履歴のデータベースで高額な料金をとっている「道路保全技術センター」が含まれる。これらの団体は国交省からの発注減が決まった。

 また、不要不急の事業などが多いとして解散が決まった「海洋架橋・橋梁(きょうりょう)調査会」や「駐車場整備推進機構」を含む20団体では、次官や道路局長の経験者が常勤、非常勤役員を務めていた。特に、次官や日本道路公団総裁を歴任した鈴木道雄氏については9団体で役職を兼務していたと国会で指摘されたため、6月までに辞任する。【後藤逸郎、辻本貴洋】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080312-00000007-mai-soci