東京地裁は11日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物をだまし取ったなどとして、詐欺罪に問われた元公安調査庁長官の弁護士緒方重威被告(73)の保釈を認める決定をした。保釈保証金は2500万円で、被告側は即日納付。検察側は準抗告を申し立てたが、同地裁は棄却した。
緒方被告は昨年6月28日に東京地検特捜部に逮捕されて以降、東京・小菅の東京拘置所で拘置されてきた。
緒方被告は捜査段階で事実関係を一時認めたが、その後、無罪主張に転換。公判は検察側との全面対決になるとみられ、現在、争点を絞り込む公判前整理手続きが東京地裁で続いている。
起訴状によると、緒方被告らは、購入代金を調達しないまま朝鮮総連側と中央本部(東京都千代田区)の売買契約を結び、所有権移転の登記をさせて土地・建物を詐取。さらに総連から現金計4億8400万円をだまし取った。