【ロンドン=中村宏之】英ヒースローで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)の中間会合は8日、反捕鯨を主張する米環境保護団体「シー・シェパード(SS)」の過激な抗議活動を非難する声明を発表し、閉幕した。
IWCが特定の団体を名指しで非難するのは初めて。日本政府代表団が提案し、全会一致で採択された。
声明は、日本の調査捕鯨団の母船「日新丸」がSSの抗議船から薬品入りの瓶などを投げられたことに対し、「IWCと締約国は、人命と財産に危険を及ぼすすべての活動は受け入れられない」と批判し、危険な行動の停止と自制をSSに要請した。
採択には、米国のほか、SSが拠点とする豪州、抗議船の船籍があるオランダも含めて、参加54か国すべてが賛成した。
一方、捕鯨支持国と反捕鯨国の激しい対立で空転が続くIWCの正常化については、安易に投票で賛否を決めず話し合いで合意を探ることや、解決が難しい問題は小グループで議論したうえで全体会議に諮るなどの改革案が協議された。6月にチリのサンティアゴで開かれる年次総会で再び議論する方針だ。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080309-OYT1T00521.htm