2008年03月06日(木) 14時47分
途中下車はできる? できない?(オーマイニュース)
ある女子大生が2人で休日を楽しむために、栃木県の那須塩原温泉(那須塩原市)に旅行に出かけた。2人とも学生なので、JRの駅のみどりの窓口で東京山手線内から那須塩原駅まで「学割」の切符を購入した。
ほかの写真も見る
学割で切符を購入すると、片道乗車区間の距離が101キロ以上であれば、大人料金の2割引きとなる。そのため往復で、1人あたり大人5040円のところが4020円となっている。新幹線で那須塩原駅まで行くこともできるが、学生の貧乏旅行ということもあり、各駅停車で約3時間かけて向かった。
2人は那須塩原の温泉旅館で1泊したのち、東京に帰るためにJRの各駅停車に乗ろうとした。そのついでにJR宇都宮駅で途中下車し、ギョーザを食べて帰ろうと思った。
そのとき、2人は迷った。というのは、東京山手線内ー那須塩原駅の往復切符で途中下車できるか不安だったからだ。そのため、Aさんが那須塩原駅で駅員に聞いてみた。
「この切符で、宇都宮で途中下車できますか?」
駅員は、
「できません」
と答えた、という。やはり、この切符では途中下車できないのか……。
じっくり切符を見ていると、2人の切符の違いが気になった。
写真の上の方の切符はAさんので、「下車前途無効」。一方、下はBさんの切符で、「山手線内各駅下車前途無効」となっていて、表記が違うのだ。「学割」で値段は同じだったのに、なぜ、違うのだろうか。
写真上・Aさんの切符は、JR秋葉原駅のみどりの窓口で購入した。その際、新幹線を使うかどうかを聞かれて、「使いません」と答えたという。一方、写真下・Bさんの切符は、JR南越谷駅で購入した。その際、何も聞かれなかった。
だから、Bさんは表記の違いを、
「新幹線で行くことを前提にするかどうかの違いなのかな」
と思った。2人は宇都宮で再度確認して、もし、途中下車が無理なら駅員と交渉するか、または宇都宮でギョーザを食べるのは諦めることにした。
JR宇都宮駅。Aさんは、今度は、自分の切符とBさんの切符を2枚持って、駅員に聞いてみた。やはり、想像通り、新幹線に乗ることを前提にした切符だと、途中下車ができるようだ。
JR東日本の旅客営業規則によると、第156条で、
「旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によつて、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅とした乗車券については、最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び列車等に乗り継いで旅行することができる」
とある。しかし、一部の区間は途中下車ができない旨が記されている。東京山手線内から那須塩原間はそれに該当していた。そして、新幹線の場合は、その該当から「除く」ともあった。
ということは、Aさんはやはり、途中下車できないのか。
「いいですよ、今回は特別ということで。途中下車する場合、これからは新幹線に乗ることを前提に購入してくださいね」
宇都宮駅員の粋な計らいによって、Aさんも今回は宇都宮で途中下車ができ、2人はギョーザを楽しむことができた。
(記者:渋井 哲也)
【関連記事】
・
渋井 哲也さんの他の記事を読む
【関連キーワード】
・
休日
・
新幹線
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080306-00000010-omn-ent