ハリウッドの超大物俳優がこっそり中野にやってきた。アカデミー賞主演男優賞にも輝くニコラス・ケイジさん(44)。向かう先は中野ブロードウェイ。ニューヨーク(NY)のブロードウェイと間違ったわけではないことは、彼自身の行動が雄弁に語っている。
フィギュアがあふれる店を長い足で歩き回る。声には映画で聞かせるような男の色気はない。
アレも、コレも、おっと、ソレもちょーだい……
英語だったが、オタクの店「まんだらけ」の店員にはそう聞こえた。選んだのは、ゴジラとガメラばかり。手のひらサイズのものから、身長近くある特大フィギュアまで、カートに山積みになるほど買い込んだ。
彼をオタクの世界に引き込んだのは、幼少の日に見た『鉄腕アトム』だ。アニメ、漫画、SF映画と、日本のサブカルチャーが大好きだということは、芸能記者とのインタビューでたびたび披歴している。まんだらけには来日の度に訪れ、フィギュアをどっさり買っていくのだという。
同店広報の中村勝也さんは、ニコラスさんのほかにも、「えっ」と驚くような海外大物アーティストが来店すると明かす。「どうもアニヲタのようなんです。お忍びのため、名前は出せませんが」
■フィギュア■ アニメなどのキャラクターの立体造形。芸術性、技術力とも日本で発達した。マニアのものという印象が強いが、最近では美術界も注目。現代美術家・村上隆氏の等身大美少女は約7000万円で取引された。ほか、国内の老舗メーカー「海洋堂」製の恐竜は、アメリカ自然史博物館で展示されている。