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2008年03月04日(火) 00時00分

病院口コミサイトがウケた理由読売新聞

批判的な口コミはシャットアウト

最初はフリーマガジンなどもやっていましたが、ネットだけに特化するようになって急成長しました
——しかし、口コミで中傷などが来たら問題になるのでは?

山内 これも大きな特徴なのですが、批判的な口コミは一切掲載していません。社員が二重にチェックして、OKを出した口コミだけが掲載される仕組みです。

 悪いことも情報として有用だという意見もありますが、医療分野という特殊性、影響力の大きさを考えてネガティブな口コミは基本的に載せないことにしています。医療の専門家ではない人たちが断片的な情報を書き込むものですから、そこにはどうしても限界があると思っています。それがポジティブ口コミに限定する理由です。

 ある時、口コミのチェックをしている社内スタッフが仕事中に涙ぐんでいることがあって、何かと思ったら、口コミに感動して泣いていたのです。アトピーが治った患者さんが「おかげで人生が変わりました!」と書き込んでくれたこともありました。医療分野の口コミって、「感動」が背景にあることが多いんですね。

 その時に、「ああ、自分たちは口コミを集めているつもりだったけれど、集まっていたのは感動だったんだ」と気付きました。それ以来、感動的な口コミは、サイト内の殿堂コーナーに集めるようにしました。今では1500件くらいありますから、本にできるかもしれません(笑)。

——ビジネスモデルは?

山内 製薬会社、健康食品メーカー、保険会社などからの広告で成り立っています。病院から広告を出したいという話もありますが、口コミの中立性を担保する意味から、当面はやらないつもりです。

 まだ設立から1年半程度ですし、今のところ赤字ですが、2008年中には単月で黒字にできる見通しです。

——今後の課題は?

山内 携帯電話で情報を見たり口コミを書き込んだりできるサービスがこれから伸びると感じています。昨年11月に携帯版をオープンしていますので、家族で旅行中にどこかが痛くなったりしたときに、口コミを活用して医療機関を探せるなど、便利に使えるでしょう。

 せっかく患者さんの声がたくさん集まってきているので、その声の蓄積を生かして、医療機関向けのサービスを始めたいと思っています。医療機関にとって、口コミは患者が増える最高の手段です。詳しくは言えませんが、口コミのネタを病院側から出してもらえるようなツールを用意しようと思っています。それによって患者さん同士のコミュニケーションが増えるようなサービスができればいいですね。(メディア戦略局 新井庸夫)

(敬称略)

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20080304nt07-1.htm