水産庁に3日入った連絡によると、同日朝(日本時間)、南極海を航行していた日本の調査捕鯨船団の母船「日新丸」が、米国の環境保護団体「シー・シェパード」の船から液体入りの瓶や白い粉の入った袋を計100個以上投げつけられた。
一部の瓶が割れて液体が飛び散り、甲板の乗組員1人と海上保安官2人の計3人が目の痛みを訴えた。
水産庁によると、同団体の船は2日午前中から日新丸の追跡を開始。日新丸では安全確保のため離れるよう警告したり放水したりしたが、約10メートルの距離まで近付かれ、3日午前7時10分から約1時間にわたって妨害行為を受けた。同団体の船はその後も日新丸の近くを航行している。
投げつけられた液体は激しい臭気を放っており、酪酸とみられる。酪酸は弱酸性の油状の液体で、原液が目に入ると失明する可能性もあるが、3人は目を洗浄して回復している。白い粉が何かは分かっていない。
水産庁は「調査捕鯨は国際条約に基づく正当な行為だ」と反発しており、同団体の活動拠点がある豪州政府などに対し、再発防止を求める方針。
日新丸は昨年2月9日にも、同団体の船から発煙弾を発射されたり、スクリューに向けてロープを投げ入れられたりする妨害行為を受け、乗組員2人が瓶に入った薬品を顔などに浴びて軽傷を負った。この妨害行為では、警視庁公安部が傷害や威力業務妨害容疑で捜査を進めている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080303-OYT1T00353.htm