2008年02月29日(金) 19時36分
運営の不手際で、苦痛 観客が富士スピードウェイ提訴へ(J-CASTニュース)
2007年9月に開催された「F1日本グランプリ(F1GP)」の運営上の不手際で、苦痛を受けたなどとして、観客70人が富士スピードウェイを提訴する方針であることがわかった。
2007年9月28〜30日にかけて、30年ぶりに富士スピードウェイ(FSW)で行われたF1GPでは、仮設道路が陥没するなどして大混乱した。会場まで向かう道路が大渋滞し、レース開始時に多くのファンが会場にたどり着かないという事態を招いた。終了時には、帰りのバスがなかなか来ないため、数万人が会場内から動けず、あいにくの雨天で、雨ざらしにされる観客もいた。さらに、サーキットでは、仮設スタンドの一部で6万1000円の指定席からレースが観戦できないトラブルも発生した。
■雨の中トイレもなく、バス停で泣きながら排尿した女性も
FSWは、不手際を認めて、レースが見えなかった観客に自由席との差額の5万円を返還したほか、レーススタートに間に合わなかった85名については入場料などを返還。同社広報は「総合的に判断した結果で、対応に問題はなかったと考えている」と話している。
今回、FSWを提訴するのは観客の70人。チケット代の全額返還と慰謝料を求める訴訟を、08年4月をめどに東京地裁に起こす方針を決めた。集団訴訟を取りまとめた「FSW災害被害者の会」によれば、07年10月頃から個人ブログで動きが広がり、08年1月下旬に訴訟の準備が整い始めたという。
同会に参加する男性はJ-CASTニュースに対し、
「FSWは遅延証明書を受け取った人にのみ払い戻しに応じているが、遅延証明書を受け取らなかった人もレースは見れてないんです。払い戻しの基準が曖昧です。さらに雨の中4〜5時間待たされる状況で、トイレもなく、バス停で泣きながら排尿した女性も見ましたよ。改善を訴えても、現場では耳を傾けてもらえなかった。観客の皆さんには黙ってはいられないという不満があるはず。みんなF1が好きなんですよ」
と話す。
一方、FSWは今回の訴訟への動きについて「現段階では訴状が届いておりませんので、コメントを差し控えさせていただきます」と述べている。
■仮設トイレや照明を増設、誘導スタッフも大幅増員