【サイパン=吉田宇洋】米ロサンゼルス市内で1981年に妻一美さん=当時(28)=を殺害したなどとして、米自治領サイパン島で逮捕された元雑貨輸入販売会社社長の三浦和義容疑者(60)の弁護士選任をめぐる審理が27日午前、同島の高等裁判所で開かれた。
審理の中で三浦元社長は、検察側から「このケースは逃亡犯の引き渡しにかかわるもの」と言われたことに対し「今、逃亡犯と言われたのか? 私は米国から逮捕状が出ていることも知らなかった。逃亡していない」と語気を強めて反論した。
弁護士選任については、三浦元社長が公選弁護人を求めたのに対し、同裁判所のデイビッド・ワイズマン裁判官は「公選弁護人は生活に困っている人のための制度。三浦氏の資産状況などを十分に検討した結果、認められない。自分で私選弁護人を雇うよう通告する」とした。私選弁護士を決める手続きの説明を受けた三浦元社長は、通訳に電話する機会を確保するよう裁判官に求め、弁護士を選ぶ考えがあることをうかがわせた。
この日出廷した検察官によると、次回の審理は来月3日。移送の手続きを含めた今後の司法手続きが審理されるという。
(中日新聞)