北海道の企業2社から計1100万円のわいろを受け取ったなどとして受託収賄など4つの罪に問われた衆院議員の鈴木宗男被告(60)の控訴審判決で、東京高裁は26日、4罪すべての成立を認め、懲役2年、追徴金1100万円(求刑懲役4年、追徴金1100万円)の実刑とした1審判決を支持、被告の控訴を棄却した。
池田修裁判長は判決理由で「北海道開発庁長官としての権限や、官房副長官としての政治力を利用して、行政に不当な影響を及ぼした犯行で悪質」と述べ、不正な口利き行為が繰り返された実態を認定。被告の全面無罪の主張を退けた。
一方、宗男被告は閉廷後の会見で「不当判決だ。控訴審での新事実を一切、認めないのはおかしい」と猛批判。さらには「法廷でビデオが放映された時、裁判長は寝ていた。法廷はもっと人間的であってほしい」と一気にまくしたてた。
宗男被告の担当弁護士で、サイパンで逮捕された三浦元社長の弁護人でもあった弘中氏も「魂のない判決。裁判官はしょっちゅう寝ていた。後味が悪く、論理も証拠判断も中身が薄く、すっきりしない判決だ」と指摘した。
また、会見で三浦元社長の逮捕について聞かれた宗男被告は「最高裁が無罪の決定をしたのに、日本の司法がばかにされている。なぜ、きちんとした態度をとらないのか。日本の司法や政府は、(米国に対し)『どういうことか』と問い掛けをするべきだ」と話した。
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