1981年に米ロサンゼルスで起きた銃撃事件で、殺人容疑などによりサイパン島で逮捕された会社元社長・三浦和義容疑者(60)について、日本国内の裁判で三浦元社長の主任弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士が26日、米ロス市警の会見内容について「何か新しい証拠が見つかったとか確信を持っての逮捕ではなく、起訴するのは難しいのではないか」との見方を示した。
ロス市警が、新たな証拠について言及しなかったことに首をかしげ「新たな事態になったというわけではないのではないか。以前から出ている逮捕状があって、一種の惰性で逮捕したという感じがする」と推測した。
また、この日の朝に2度、三浦元社長から電話があったとし、元社長が「ロサンゼルスに行ったことはないし、行こうと考えたこともない」と話していることを明かした。さらに「グアムやハワイ、アメリカ本土にも行ったことがない」と語っているという。
これまで、三浦元社長が昨年末にロスを訪れていたと、逮捕直後から各メディアが報道。「ロス市警に出向いた」との情報もあり、さまざまな憶測を呼んでいた。弘中氏も25日の会見では「ロスに行ったのは事実」と話していたが、一転してこれを否定。ロス訪問は「全く事実ではない」とし、三浦元社長がサイパンに行ったのも「アメリカ(の自治領)だということを知らなかった」からだと説明した。
これに対し、「モッツ出版」の高須基仁社長は「三浦さんが僕に対し、『(ロスに)行った』と言ったのは間違いない事実」と話した。高須氏はこれまで、各メディアで三浦元社長のロス訪問について言及してきたが、「同行したわけじゃないし、パスポートを確認したわけでもない。ただ、僕には『行くよ』と言い、『帰ってきた』とはっきり言った。僕に対してウソをついたのか…分からない」と困惑気味に話している。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080227-OHT1T00096.htm