北朝鮮から大量の覚せい剤を密輸したとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪に問われ、1審・東京地裁で無期懲役の判決を受けた指定暴力団松葉会系組幹部・福島敦紀被告(69)(控訴中)が、入院先の千葉県鎌ヶ谷市内の病院から逃走していることが分かった。
東京高裁が25日、発表した。病院から通報を受けた千葉県警が県内に手配し、福島被告の行方を追っている。
同高裁の説明によると、福島被告は東京拘置所に拘置されていたが、弁護人から昨年12月、「被告が病気で重篤な状態に陥った」として、拘置の執行停止の申し立てがあった。同高裁は、病室から出ないことなどを条件に、今月18〜27日の執行停止を許可していた。
福島被告は鎌ヶ谷市内の病院に移されて治療を受けていたが、24日夜に病院から姿を消しているのが分かったという。拘置の執行停止期間中は、病院では特別な見張りなど監視体制は取られていなかったという。
1審判決によると、福島被告は他の暴力団幹部らと共謀し、2002年6〜10月、島根県の沖合で、北朝鮮の貨物船が海上に投下した覚せい剤約230キロ・グラムを小型船で回収し、密輸するなどした。福島被告は首謀者の1人と認定され、昨年3月に無期懲役、罰金1000万円、追徴金9億6100万円の判決を受け、控訴していた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080225-OYT1T00622.htm?from=main3