81年11月に米国・ロサンゼルス市内で妻一美さん(当時28)を銃撃、殺害したとして、元雑貨輸入販売会社社長の三浦和義容疑者(60)が渡航先の米自治領サイパン島で逮捕された事件で、ロス市警が、今回の逮捕に踏み切った理由として、「新証拠」を挙げていることが24日分かった。新たに入手した証拠の具体的な内容は不明という。元社長の身柄をサイパンから同市に移す手続きは25日にも、現地の連邦裁判所で始まる見通し。
米連邦捜査局(FBI)が24日までに、事実確認を求めた警察庁に回答した。新たに得た証拠の内容は、事件関係者の供述や物証などの可能性があるが、FBIは具体的には明らかにしていないという。
事件については、日米捜査当局の合意の下、警視庁が88年に元社長を逮捕したが、物証や証言が乏しく、03年に無罪が確定した。今回の市警の逮捕容疑は「殺人および共謀」。カリフォルニア州法には凶悪殺人などに時効がなく、新たな証拠の入手を受けて強制捜査に踏み切ったとみられる。
警察庁によると、24日時点で、米国側から日米刑事共助条約に基づく捜査記録の提供などの協力要請は来ていないという。
一方、外務省の在サイパン出張駐在官事務所の領事は同日、収容施設で三浦元社長と面会した。現地の空港から日本に向け出国しようとしたところを拘束されたなど逮捕時の経緯や健康状態を確認した。元社長は日本で無罪が確定していることをあげ、今回の逮捕に不満を示したという。 アサヒ・コムトップへ
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