27年前のあの事件がなぜ今—。「ロス疑惑」として世間の注目を集めた三浦和義容疑者が、サイパン島で米警察当局に逮捕された。日本ではすでに5年前に最高裁で無罪が確定した三浦容疑者。殺人事件では時効がない米警察当局が投げかけた波紋に、娘を失った母・佐々木康子さん(75)は「捜査が進んでくれれば…」と期待をかけるが、関係者の反応はさまざまだ。
銃撃事件で死亡した一美さんの母・康子さんは23日深夜、川崎市川崎区の自宅で取材に応じ「警視庁と連絡を取っているが、何の容疑で逮捕されたかが分からず、連絡を待っている状態です」と困惑した表情で話した。
康子さんによると、三浦容疑者が逮捕されたとの連絡が週刊誌からあり、テレビのテロップでもニュースが流れた。康子さんが、かつて警視庁捜査1課で捜査を担当していた警察官に電話をしたところ「何の容疑で逮捕されたかも分からず、これから米国捜査当局と連絡を取り合わなければならない」との話だったという。
康子さんは「30年近くも前の事件だし、まさか今から進展があるとは思ってもいなかった。これから捜査が進んでくれれば」と話した。警視庁の警察官と24日にあらためて連絡を取る予定という。
◆米国では殺人事件に時効なし
三浦容疑者は1981年にロサンゼルスで起きた銃撃事件で妻を殺害した容疑で逮捕された。日本では殺人事件の公訴時効が規定されているが、米国の法律では、殺人事件には時効が適用されない。
米国にも出訴期限法という法律があり、刑事事件の場合、6年以内でなければ訴追できないと規定されているが、殺人は例外となっている。
最近では、1960年代の公民権運動に絡み黒人が殺された事件を司法当局が再捜査、約43年後に白人優越主義者らが起訴され、有罪判決を受けている。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080224-OHT1T00092.htm