千葉・房総半島沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船清徳丸が衝突した事故で、あたごの右前方でかじを切り、あたごの針路を横切りつつあった清徳丸が、左舷にあたごの艦首の直撃を受けたことが、第3管区海上保安本部(横浜市)の調べで分かった。同保安本部は、清徳丸の左舷の断面だけに、あたごのものとみられる灰色の塗料が付着しているのを確認。衝突直前、あたごの右方向に清徳丸の左舷が位置していたことから、3管はあたご側に衝突を回避する義務があったとみて、乗組員らから事情を聴いている。
各船の位置関係
3管が21日、実況見分したところ、二つに破断した清徳丸の前部の左舷4カ所から集中して塗料が見つかった。清徳丸の右舷側には付着しておらず、一方であたごの艦首では、先端部の塗料がはがれ、左右両舷に多数のすり傷が残っていた。
3管は塗料を採取し、あたごの塗料かどうか分析を進めている。
海上衝突予防法は、相手船を右側に見る船舶が衝突を回避するよう定めている。3管は、あたごの右前方から針路を横切る形で進行していた清徳丸の操舵(そうだ)室を、あたごが艦首で直撃し、船体を分断したとみて調べている。 アサヒ・コムトップへ
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