日本政府と在日米軍は22日、在沖縄米兵が少女に暴行したとされる事件を受けて検討していた再発防止策として、各自治体に住む米軍関係者の人数を毎年、日本政府を通じて自治体側に通知することなどを柱とする当面の措置をまとめた。米側はこれまで、地域ごとの人数を公表していなかったが、今年1月末現在の沖縄在住の米軍関係者数と基地外の居住者数を日本政府に伝え、その内容が明らかにされた。
再発防止策は沖縄側の意見を踏まえて最終調整したうえで、同日午後にも正式に発表される。これに先立ち、高村外相が同日の閣議後の記者会見で骨子を明らかにした。
防止策は(1)全国の米軍関係者数の通知(2)基地外に住むことを認める基準の再検討(3)防犯カメラの設置(4)米軍と沖縄県警の共同パトロール(5)夜間外出制限措置(リバティーカード制度)の再検討(6)教育プログラムに沖縄の視点反映(7)日米合同委員会などで再発防止策を継続的に検討——の7点。
沖縄県在住の米軍関係者は今年1月末現在、軍人2万2772人、軍属2308人、家族1万9883人の計4万4963人。このうち基地外に住んでいるのは1万748人で24%だった。日本全体の米軍関係者は9万4217人で、48%が沖縄に集中していた。
今後は米側が日本政府に対して年に1度、各市町村に居住するすべての米軍関係者の人数や、基地外居住者数の情報を提供。政府はこの情報を自治体に伝える。基地ごとの配置は軍事情報であるため、米軍はこれまで公表していなかったが、透明性を高めて基地の地元との信頼構築を図る方針に転じた。
防犯カメラ設置についてはプライバシー保護の観点から慎重な声もあるため、高村氏は「地元自治体に設置の意向がある場合には積極的に対応したい」と述べた。 アサヒ・コムトップへ
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