大阪府の橋下徹知事は22日、08年度暫定予算案を発表した。「財政非常事態宣言」を踏まえ、4カ月間の必要最小限の費用だけを計上、年間予算は全事業を見直して6月をめどに組み直す。記者会見した橋下知事は新年度の歳出削減額は1000億円規模になるとの見通しを表明。太田房江前知事時代の「赤字隠し」の手法はとらずに財政再建を目指す考えを強調した。
暫定予算案を説明する橋下徹知事=22日午後、大阪府庁で
暫定予算の歳出は、4カ月分の人件費など義務的経費や医療費助成などの府民生活に影響のある事業が中心で総額1兆1919億円(07年度当初比37%)。特に建設事業は415億円(同14.5%)に抑制し、公約の出産・子育て支援は盛り込まなかった。橋下知事は「借金の先送りこそ子どもたちを悲しませる」と理解を求めた。
「府債発行ゼロ」の原則を掲げた橋下知事だが、歳入では府債183億円(同比8%)を計上。契約済みの道路や河川、府営住宅などの整備に充てると説明した。
府の財政は法人2税の落ち込みなどから、98年度から9年連続の赤字決算が続く。財政再建団体に転落しないよう01年度から減債基金を取り崩して赤字額を圧縮し、04年度からは総額3500億円の府債の返済を先送りする「赤字隠し」も続けてきた。
会見で橋下知事は、こうした会計手法について「禁じ手はやめないといけない」と指摘。08年度に取り崩す予定だった減債基金700億円余りと、400億円を超える税収の減少分を合わせ、「概算で1000億円規模」の歳出削減が必要になるとの見通しを示した。
橋下知事は市町村への補助金や負担金なども削減し、計上額は1315億円と07年度当初予算の28%にとどめた。すでに新年度予算案の編成作業を終えた市町村からは反発の声があがっている。
橋下知事は「関係市町村、府民、市民の皆さまに少なからず影響がある点は本当に申し訳なく思っている」と述べた。 アサヒ・コムトップへ
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