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2008年02月20日(水) 00時00分

海外のオンライン・メディアをウォッチする60代ブロガー読売新聞

 「メディア・パブ」(http://zen.seesaa.net/)は、海外のネットサービスやオンライメディアの状況を日本語で読める評判サイト。新聞社系の大手出版社にいた田中善一郎さんが、退職直前に自身の情報整理のために開始した。

ブログを知るため自ら執筆、内容によって反響に差

田中善一郎  たなか・ぜんいちろう
「メディア・パブ」ブロガー
 1945年、兵庫県生まれ。68年、大阪大学工学部卒業、富士通に入社。システム開発を担当した後、74年に日経マグロウヒル社(現日経BP社)に転職し、雑誌の編集記者となる。コミュニケーション誌編集長などを経て、2006年4月に退職。同年7月、グリーの監査役に就任。2004年からフリーの立場でブログ「メディア・パブ」を執筆している。
——現在のブログを書こうと思った理由は?

田中 2004年の5月ぐらい書き始めたのですが、元々人に読んでもらおうと思っていたわけではありませんでした。

 当時は、グーグルを代表とする検索技術の進化と、ユーザー投稿コンテンツがメディア化するCGM(消費者生成メディア)の台頭という、二つの流れが見えてきたころ。メディアそのものが大きく変わると確信していました。しかし、自分は60歳定年の現役引退直前。現役でプレーできないなら、変革期を間近で見よう。まずは、ブログがどういうものかを知ってやろうと思いました。

——情報収集の方法は?

田中 当初は、インターネット分野で先を走っている欧米の状況をわかりやすく伝える日本語サイトはありませんでした。そこで、アメリカの新聞社や雑誌社のメディアサイトや、「テッククランチ(TechCrunch) 」などのブログを見ては、新しい情報を自分のブログで紹介していきました。新情報をもらさないように、チェックするサイトを登録してRSSリーダーを使うようにしました。

 そのうち、「テックミーム(Techmeme)」、「ディグ(Digg)」、「デリシャス(Del.icio.us)」といった、最新ニュースをまとめてチェックしているサイトや、Web2.0関連の有力サイトからの記事を収集する「ウェブ2.0ワークグループ(Web 2.0 Workgroup)」、代表的なメディア関連記事をまとめた「メディア2.0ワークグループ(media 2.0 Workgroup)」なども利用するようになりました。

——ほかにはどのようなサービスを利用していますか?

田中 グーグルニュースやブログで、設定したキーワードを含んだ情報があるとメールで知らせてくれるアラート・サービスなども使っています。アラート・サービスでは、さきほどのニュース収集サイトなどでまだひっかかってこない情報を拾うことができます。今は、「クラウド・コンピューティング(cloud computing)」、「データ・ポータビリティ(Data Portability))、「アド・エクスチェンジ(Ad Exchange)」などを登録しています。

——ブログへの反響は?

田中 これまでの個人のホームページだったら、ほとんど読まれなかったでしょうね。ブログは、記事単体で検索対象になるし、RSSでも発信されるので、人から見つけてもらいやすい。影響力のあるブロガーに紹介されたりすると、さらにページビュー(PV)が上がります。

 2005年からは「ウェブ2.0」といった一般受けする話題を取り上げたり、たとえばグーグルマップの衛星画像にステルス戦闘機が写っていることを紹介したりしました。すると、驚くほどのアクセスが得られました。こうした受けを狙った記事を書いているうちに、あるブログ検索サイトで上位20〜30位にランキングされるようになりました。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20080220nt10.htm